Act 1
とろりと溶け始めた郁の目に、未だに熱の覚めやらぬ堂上が映りこむ。
首筋を愛しそうに撫でられ、堂上はぞくりと感じる。
「あつしさん」
語尾にハートマークが付いてそうな呼び方に、堂上はいつか見た格言を思い出し、七種のキスを郁へと贈った。
それに気が付いてか郁も同じように七種のキスを堂上へと送り、最後に互いに口付けた。
言葉にしないまま、互いの愛しさを相手へ届けるために――。
Act 2
貪るように唇を重ね、堂上の節くれた指先が郁の肌の上を気持ちよさそうにすべる。
ぴくりと体を反応させ、郁は堂上の首筋へと指先を伸ばし、そのまま触れる。
自分よりも少しだけ高い体温に、ここまで安心を覚えるようになったのは初めて重ねてから何度目だっただろうか、と郁は思い馳せる。
「郁……?」
「ふふっ。大好きですよ? 篤さん」
「俺のほうがもっと好きだ」
「もうっ!」
あたしのほうがもっと――と、続くはずが堂上の唇に塞がれ、舌を絡めとたれて音にならない。
首筋に触れた手はそのままに、開いていた手でぽかぽかとその厚い胸板を叩けば人の悪い笑みが堂上からこぼれた。
口付けたまま堂上は遠慮なく郁の体のラインをなぞり、楽しみ始めた。
こうなれば郁に反撃のチャンスはなく、堂上からもたらされる愛撫にただしがみつくだけとなる。
幾度となくかすれた声で郁の名を呼ばれ、ちくりと心臓の真上に痛みが走る。
「相変わらず綺麗につくな」
つけたばかりの赤い痣を指先でなぞり、堂上は扇情的となっていた自分の唇をぺろりと舐め取った。
〜 Fin 〜
【 初出:SNS-2009/03/22 】